2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540226
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
吉田 春夫 国立天文台, 理論研究部, 教授 (70220663)
|
Keywords | ハミルトン系 / 可積分性 / 判定条件 |
Research Abstract |
●主として2次元の同次式ポテンシャル系の可積分性の必要条件についての共同研究を,マチエフスキー(平成18年度・国立天文台外国人客員教授)およびプシビルスカと共に遂行した.得られた結果の中で最も注目できることは,ケプラー問題で代表される可積分系の部分系である超可積分系の必要条件を,既知の可積分性の必要条件のサブセットとして具体的にリストの形で得たことである. ●自由度の数だけの可換な第一積分をのみ有する通常の可積分系においては,解は2次元トーラス上の準周期運動となり,2つの独立な周期が存在する.しかしさらにもう一つの第一積分が存在する超可積分系においては,この2次元トーラスは1次元の円周に退化し,解は周期軌道となる.これが系の超可積分性の幾何学的意味である.今回得られた定理の一つの応用として,「中心力ポテンシャルの中で超可積分となり得るのはケプラー問題および等方調和振動子に限る」という古典的なベルトランの定理(1873)が,単なる一つの例として再現できることになった.この結果を一部分として含んだ論文"Necessary conditions for partial and super-integrability of Hamiltonian systems with homogeneous potential"はIOP発行の学術雑誌Nonlinearityに投稿中であり,プレプリントをnlin.SI/0701057として公表している. ●超可積分性の必要条件は今日まで一般的な定理の形で得られたものは他にないため,平成19年度においてもその強化と一般化を目的とした研究を継続する予定である.
|