2007 Fiscal Year Annual Research Report
第一世代の星の典型的質量と宇宙初期天体の特異な元素組成の起源
Project/Area Number |
18540231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 憲一 The University of Tokyo, 数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (90110676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 知治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (20280935)
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Keywords | 超新星 / 恒星の進化 / 大質量星 / 金属欠乏星 / 元素合成 / 宇宙初代星 / 質量関数 / 宇宙化学進化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、宇宙の進化における第一世代の星、すなわち、重元素を含まない種族IIIの星がどのような質量関数を持っていたかという問題を解明することである。この問題は、宇宙の再電離の源、あるいは、巨大質量ブラックホールの起源の問題と密接に関連して、現在の天文学の焦点の一つとなっている。 この問題の解明にあたって、本研究で着目したのは、最近の観測により、宇宙初期の天体の化学組成が太陽組成から大きくずれた特異なパターンを示すことが分かってきたことである。 そこで、本研究では、これまで、研究があまり進んでいない非球対称な星の進化と超新星爆発のモデルを構築し、観測との詳細な比較を行なった。幸い、本研究の遂行中に、この比較に最適な超新星が出現した。その観測データの解析に時間を要したため、20年度にまで繰り越して、データ解析を行い、理論モデルとの比較を行った。理論モデルの構築においては、第一世代の超新星爆発を、非球対称モデルに基づいて計算し、その元素合成の特徴を明らかにした。これを太陽の10-1000倍という広い範囲の星の質量、金属量、爆発エネルギーに対して実行した。それにより、第一世代の星が典型的には太陽質量の30-60倍の質量の星で、ジェット状上の爆発をして、mixing-fallbackの効果をもたらしたことを解明した。特にケイ素の量が特異な星は、ジェット状の放出物のある特定の方向の部分を取りこんで形成されたとすると、観測をよく説明できることを示した。
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Research Products
(4 results)