2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
坂井 純一 富山大学, 理工学研究部, 教授 (50019220)
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Keywords | 太陽プラズマ / コロナ加熱 / シミュレーション |
Research Abstract |
この研究の目的は、太陽コロナ、彩層の加熱機構を明らかにすることである。 最近のTRACE科学衛星の観測によると、コロナループの加熱はループ全体が一様に加熱されるのでなく、ループの根元に加熱の熱源があることが明らかになった。ループ根元は彩層プラズマで電離度も低く、プロトンと中性水素からなる弱電離プラズマである。このような弱電離プラズマを記述するには従来のMHDモデルでは不十分であり、我々は、プロトンー中性水素の2流体を記述するシミュレーションコードを開発した。 このシミュレーションコードを用いて、彩層での電流ループの衝突過程に伴うプラズマの加熱を調べた。その結果は磁場のエネルギーを効率よくプラズマの加熱に変換できることが明らかになった。また、2本の磁束管の衝突に伴い高速のプラズマ流が磁束管にそって両極に発生することも確認された。 これらの加熱機構およびプラズマ流の発生は観測と比較することが次の課題である。 この結果はThe Astrophysical Journalに発表された。 太陽の対流層から生じるAlfven波が彩層プラズマでいかなる機構で加熱に寄与するかを調べるため、プラズマ粒子シミュレーションを用いて研究を行った。彩層近傍では磁束管がお互い接近しており、そのような場所は磁気的にForce-free配位になっている可能性がある。そこでこのようなForce-free配位になっている場所にAlfven波がきたときどうなるかを調べた。Alfevn波はPhase-mixing効果のため伝搬途中で静電波を励起しこの波で電子が加熱されることが明らかになった。この結果はAstronomy and Astrophysicsに発表された。 彩層プラズマでの加熱機構には、磁気再結合過程が重要であり、我々の開発した2流体シミュレーションコードを用いて弱電離プラズマでの磁気再結合を調べた。この研究は来年度以降に継続し行う予定である。
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