2007 Fiscal Year Annual Research Report
カーブラックホール近傍での磁気リコネクションによる相対論的ジェット形成機構の解明
Project/Area Number |
18540236
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小出 眞路 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20234677)
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Keywords | カーブラックホール / ブラックホール磁気圏 / エルゴ領域 / 磁気リコネクション / エネルギーの引き抜き / 一般相対論的電磁流体力学 / 活動銀河核 / マイクロクェーサー |
Research Abstract |
本研究課題は相対論的ジェットが形成されるなど激しい現象が起こっていると考えられるブラックホール磁気圏における磁気リコネクションの重要性を明らかにするとことを目的としている。最終的には抵抗性・一般相対論的電磁流体力学(GRMHD)の長時間数値計算を行い、とくにジェット形成における磁気リコネクションの役割の解明をめざす。 本研究課題の初年度に当たる平成18年度において抵抗性GRMHD計算プログラムの開発を始め、現在テスト計算中である。平成19年度はブラックホール磁気圏での磁気リコネクションの関わる現象について数値計算に頼らず解析的な検討を進めた。とくに、磁気リコネクションによるカーブラックホール回転エネルギーの引き抜き機構を提案し、引き抜きの条件を解析的に調べた。その結果、磁気リコネクションによりブラックホールのエネルギーを引き抜くにはエルゴ領域内において相対論的な磁気リコネクションが起こらなくてはならないことが分かった。相対論的磁気リコネクションは巨大楕円銀河M87中心などにある活動銀河核のブラックホール付近では起こる可能性があるが、銀河系内のマイクロクェーサ(GRS1915+105など)のブラックホールでは必要とされる磁場は強すぎて起こらないと考えられる。今回はエネルギー引き抜きの条件を大局的な磁場は無視するなど非常に簡単化したモデルで解析的に調べたが、今後抵抗性GRMHコードを用いて大局的な磁場も考慮した計算を行う。
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Research Products
(4 results)