2007 Fiscal Year Annual Research Report
星周塵候補物質における微粒子の形状による光学的性質への影響
Project/Area Number |
18540243
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小池 千代枝 Osaka University, 理学研究科, 招へい研究員 (20097835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茅原 弘毅 大阪大学, 理学研究科, 招へい研究員 (70379296)
周藤 浩士 国立天文台, 光赤外研究部, 助教 (50300710)
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Keywords | 赤外線天文学 / 光物性 / 星周塵 / 微粒子の形状 / 格子歪み / 赤外吸収ピーク |
Research Abstract |
星周塵の進化を明らかにするために、我々はこれまで星周塵候補物質の光学的性質を明らかにしてきた。その中でも特に、形状効果については理論的にはスペクトルは大幅に変化することは予想されるので、室内実験で形状効果がどのようにスペクトルに影響するかを明らかにすることを目的とした。前年度は形状の分かっているforsteriteについて調べたが、今年度はバルクからすり潰した粒子をボールミルの回転時間、回転数によりどのように形状が変化するか、電顕、XRDで形状・物性がどのように変化するか調べた。天然のolivineはボールミルにより少し角がとれてより丸みをおびた。それに対し合成したForsteriteはボールミルを長時間かけると角はとれたが平板状がより顕著になった。さらにXRDで調べると、格子歪みがかなり大きくなっていることが分かった。これを赤外のスペクトルを測定すると吸収ピークがかなり広がった状態を示し格子歪みが影響していることが分かった。ボールミルをかけた微粒子を加熱すると1000度ではかなり歪みが回復して、赤外のスペクトルは鋭いピークを示した。更にボールミルをかけた後のサンプルの遠赤外の吸収は大きくなり、傾きがゆるやかであったが、加熱後は吸収が小さくなり傾きは急になった。ピーク位置については角がとれた影響で短波長側にシフトした。形状効果についての計算はCDEがあるが、極端な形状を除外した場合のCDE2で計算すると測定の傾向とよくあう。我々はさらにもう少し極端な形状を除外した場合を考慮したコードを開発してより現実的になるよう計算を工夫している。
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