2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河本 昇 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (50169778)
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Keywords | 超対称格子理論 / 超対称性 / 格子ゲージ理論 / 超対称ヤング・ミルズ理論 / ディラック・ケーラーフェルミオ / 有限温度格子QCD / 有限密度格子QCD / 格子QCDの強結合極限 |
Research Abstract |
これまで既に超対称性を持つBF理論、ベス・ズミノ理論の格子上の定式化が完成した。更にこの定式化を発展させて、2次元のヤング・ミルズ理論の格子上の定式化が完成した。これ等の定式化は非可換性を導入し、それと同等であると考えられる修正された交換関係を導入して定式化した。しかしこの定式化に対して不完全であるという指摘がなされた。既に我々はこの点を認識していたが、場に非可換性を導入することによりこの指摘は当たらないと考えていた。ところがその過程は内部矛盾を含むことが次第に明らかになってきた。そこでこの定式化の具体的な表示を求めることに、多くの時間を費やし、現在3通りの方法で、この問題に取り組んでいる。既に行列表示としては一つの具体的表示を得ることが出来た。他の行列表示に対して、現在他の手法との比較もしながら検討している。これはカプランの定式化と我々の定式化をつなげる新しい定式化になると考えられる。これに対して3っつめの方法として、違う観点から具体的表示を求めようとしており、この方向でかなりの進展がある。我々は既に前の定式化の範囲内では、3次元への拡張が完成しており、論文として出版できる態勢にある。ただ上記の問題が具体的に解決するまで、発表を控えている。 別の研究の成果として、強結合極限の有限温度、有限密度のSU(3)のメソン、バリオン系の解析的有効相互作用を求め、この系の相図を決定した。更にゲージ結合定数の強結合の一次の効果を取り入れた有効相互作用を求め、具体的な相図の変化を明らかにした。
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