2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540245
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河本 昇 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (50169778)
|
Keywords | 格子超対称性 / 超対称ヤング・ミルズ理論 / ディラック・ケーラーツイスト / 非可換理論 / 超対称性 / 格子ゲージ理論 |
Research Abstract |
これまでの研究で、超対称理論の格子上での定式化の、連続理論による基礎付けとしてディラック・ケーラーツイストを提案し、この定式化が格子上で超対称性を定式化する為に必要不可欠な定式化であることを確認した。これに基づき、ライプニッツルールを満たさない差分演算子を超対称性の定式化に取り入れるために、新たな定式化を提案し、2次元N=2の超対称なヤング・ミルズを含むいくつかの理論が、厳密に超対称性を保つ形で定式化されることを既に提案した。今年度はその定式化を3次元N=4の理論に拡張し、論文として出版した。我々のこの提案に対して全ての超対称電荷に対しての対称性は成り立っておらず、一つの電荷に対してのみ、成立する事、更に我々の定式化には、場の積の順序の自由度が有りその自由度が正しい超対称性の厳密な不変性を与えていないという指摘がなされた。我々はこの点に関して1次元の模型でこの問題を詳しく解析し超対称空間での行列模型による定式化を行い、どの様にこの問題を考えればよいかの提案を行った。また更にこの問題は、超対称代数に差分を導入して格子上で代数が成り立つ様に定式化する際に避けて通れない本質的な問題であることも明らかに成ってきた。いわゆるNO-GO定理が超対称代数の格子上での定式化に成立しているのではないかと考えており、この観点からの論文として我々の考えをまとめている段階にある。また上記の問題に対して非可換性を取り入れた、新たな定式化を導入する可能性も既に指摘し、現在その方向での新しい提案も進めている。また4次元N=4のヤング・ミルズ理論の格子上での定式化をこれまでの手法で定式化を完成させることも進行中である。
|