2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540245
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河本 昇 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (50169778)
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Keywords | 格子超対称性 / 超対称性 / 格子理論 / ホップ代数 / 非可換の場の理論 |
Research Abstract |
先行研究において超対称性を格子上で定式化し、専門家にはリンクアプローチとして認知されている。この定式化の非可換性の問題点が指摘され、その問題点を解決すべく色々なアプローチを試みた。その中の一つとして、行列形式を用いて簡単化された超対称格子模型を具体的に定式化し、超対称場のレベルでは問題が解消されることを示した。問題は成分場の非可換性として残っている。一方この指摘された問題点は、超対称性の格子上の代数において差分を微分演算子の代わりに導入すると、差分演算子がライプニッツ則を満たさない為、普通の意味での超対称代数が成り立たない事に起因する。そこで差分の満たすべき代数を拡張きれたライプニッツ則とみなし、関数のマイルドな非可換性を導入して、格子上の新たな超対称代数が、ホップ代数の定式化の範囲内で構成できる事を具体的に示した。これによりこれまで問題点として挙げられていた困難に対して、格子上の代数を見直すことにより問題点に対しての解答を与えている。この定式化において、その表式と新たな経路積分の定義は具体的な表示として与えられていないが、従って直ちに数値計算ができる段階にないが、少なくともホップ代数の枠の範囲内で、リンクアプローチにより格子上の超対称代数が厳密に成り立つ事が定式化できた。具体的な表式を与えることは今後の課題として残されている。
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