2008 Fiscal Year Annual Research Report
非可換空間におけるトポロジカル・ソリトンのダイナミクス
Project/Area Number |
18540246
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江澤 潤一 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (90133925)
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Keywords | 非可換空間 / 非可換ソリトン / 量子ホール効果 / トポロジカルソリトン / スカーミオン / メロン対 / 量子位相 / 2層量子ホール系 |
Research Abstract |
非可換空間が実現している唯一の観測可能な系は量子ホール系である. 電子がランダウ準位に束縛されているため, そのx座標とy座標は交換しない. 電子の生成演算子は点電荷ではなく広がった電荷を生成する. さらに, 実際に生成するのは, より広がった電荷分布を示すトポロジカル・ソリトン(非可換スカーミオン)である. この様な状態は電子状態にW_∞変換とよばれるユニタリー変換を施して生成できる. 本年度は, 2層量子ホール系で, 横磁場が進入した際の非可換スカーミオンの性質を微視的理論に基づき解析した, 先ず, 横磁場が進入すると, 上下の層でランダウ準位が異なることを示した. これに伴い, 非可換ソリトンの中心は上下の層で横磁場の方向に逆向きに移動する. 即ち, スカーミオンがメロン対に変形したことになる. メロン対生成に関しては, 「メロン対は長い紐で結ばれている」というMacDonald等による予想が現象論的になされていた. その予想に反して, 私は微視的状態を解析し, メロン間の間隔はメロン自身の大きさの程度であることを証明した. この励起エネルギーに寄与するのは, トンネル相互作用のエネルギーとクーロン交換エネルギーである. これらは両方とも, 横磁場の増加と共に, 急速に減少する. 小さいスカーミオンについては微視的解析結果を, 大きなスカーミオンについては古典階を用いてその励起エネルギーを計算した. 計算結果は実験を良く説明する, 大きなスカーミオンに関する微視的解析は現在も進行中である. 研究成果は「Noncommutative Skyrmions in Quantum Hall Systems」というタイトルで論文準備中である.
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Research Products
(3 results)