2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540248
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
坂井 伸之 Yamagata University, 地域教育文化学部, 准教授 (00267402)
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Keywords | インフレーション / ブラックホール / ソリトン / 一般相対性理論 / 量子重力理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、宇宙論を実験的に検証する道を切り開くために、実験室で初期宇宙の状況を再現する方法を理論的に考案することである。また、その理論モデルによって、量子重力理論の定式化ついて検討することができる。今年度の研究成果は次の2つである。 1 振動する泡から宇宙を作る新しい方法の発見 昨年度は磁気モノポールからインフレーション宇宙を作るプロセスを発見したが、今年度はその延長として、宇宙を作る別のモデルを検討した。その結果、泡の表面物質が2成分から成り、一方が面密度一定(ドメインウォール型)で、他方の面密度が表面積に反比例(ダスト型)し、うちいずれか一方の符号のみが負であるとき、まず定常的に振動する泡の解が存在し、そしてその質量がある程度失われるとインフレーション宇宙に転移することがわかった。 2 非位相的ソリトン(Qボール)の安定性とカタストロフィー理論 U(1)対称性を含む多くの素粒子場で現れる非位相的ソリトン解(Qボール)は、ダークマターやバリオン生成の起源として有力なモデルである。本研究ではQボールの安定性を系統的に調べた。その際、有限自由度の力学系において確立されたカタストロフィー理論が、無限自由度の場の理論でも有効で、それによって全パラメーター空間における安定性構造が容易かつ明確に理解できることがわかった。
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Research Products
(6 results)