2008 Fiscal Year Annual Research Report
超弦理論とM理論のダイナミックスおよびその共変的定式化の研究
Project/Area Number |
18540252
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
風間 洋一 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60144317)
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Keywords | 超弦理論 / ゲージ / 弦対応 / 共形不変性 / 平面波時空 / セミ光円錐ゲージ |
Research Abstract |
ゲージ1弦対応の理解にとって非常に重要不可欠であるにも拘わらず発展が遅れている、ラモン・ラモン場を含む曲がった時空中の超弦理論の研究を行った。具体的には、この種の問題のプロトタイプである平面波背景場中の超弦理論を、グリーン・シュワルツ形式で共形不変性を保ったまま量子化する方法を開発し、量子化されたヴィラソロ代数を構成することに初めて成功した。共形不変なセミ光円錐ゲージにおいては、作用が非線形であり、運動方程式の解を用いる通常の正準量子化の方法は非常に困難である。これを克服する新しいアイデアとして、ヴィラソロ代数をなす演算子の中にハミルトニアンが含まれているため、運動方程式を解かなくてもヴィラソロ代数自体がダイナミックスを支配することに着目し、位相空間の変数を用いた量子化法を用いた方法を開発した。さらに、系の持つすべての対称性代数の生成子の量子的な構成、および物理的状態に対応する頂点関数の構成の研究を進めたが、実はセミ光円錐ゲージでのこうした量の構成は、平坦な時空の場合でさえ行われていないことが判明したため、まず平坦な場合に関する研究を行うこととした。ゲージを一部固定したことによって超ボアンカレ代数の形は古典的にもそれに伴う変更を受けるが、量子論的には、さらに演算子の順序に関する量子効果が付け加わる。この計算はほぼ完成しており、その代数の表現を作るところの頂点関数の構成の基礎が得られたことになる。これらの成果は近日中に公刊する予定である。
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Research Products
(2 results)