2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540258
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
田嶋 直樹 University of Fukui, 工学研究科, 准教授 (50212030)
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Keywords | 理論核物理 / 計算物理 |
Research Abstract |
1. 昨年度整備した6台のパソコンを組み合わせたPCクラスタに、今年度さらに3台を加えて、大規模な数値計算を行う体制を整えた。1個めデュアルコアCPU内の各コアに中性子および陽子を担当させFIFOで通信させる形態をとった。これは今後のCPUのメニーコア化のトレンドを活用し易い利点をもつ。また、計算ジョブの実行状況を監視してジョブを終えたCPUに開始可能な次のジョブを探して割り当てる汎用性のあるスクリプトを作成し、それを用いて大規模なテスト計算を長期間に亘って実行した。 2. 自作の正準基底HFB法プログラムに新たにスピン軌道力を加えて、軽い核については現実の原子核を記述できるようにした。今後クーロン力を加えれば重い核も含めて全ての原子核を記述できることになる。正方メッシュ表現でのクーロン力の取り扱いに関しては境界条件の計算方法の効率向上以外に新たに克服すべき課題は残されていないので、プログラム開発はほとんど完了したと言える。 スピン軌道力を含めると、各HFB正準軌道を表す波動関数の情報量は、実数値1成分から複素数値2成分へと4倍に増加する。これに関して本研究では、空間的対称性は一切課さないが、時間反転対称性だけは課す新方式を考案した。そして実際に、実数値4成分で表した1対のHFB正準軌道を正しく求めることに成功した。この方法の利点は、解の表現に要する情報量の半減に加え、正準軌道対間の対応関係が数値誤差により不明瞭になる懸念を取り除くことである。
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Research Products
(4 results)