2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川村 嘉春 信州大学, 理学部, 教授 (10224859)
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Keywords | 余剰次元 / 統一理論 / 超対称性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高次元時空に基づいて素粒子の性質や法則を解明することにより、標準理論を超える現実的な理論を発見し、宇宙の謎を解き明かすことである。研究計画の1つとして「高次元時空に基づく素粒子の統一理論を構築する。」を挙げた。実際に行ったことは、1.余剰次元の観点から物質を構成する素粒子が成す世代構造についての大きな謎「なぜ、物質を構成する素粒子は3世代存在し、多様な構造を成しているのか?」に挑んだ。より具体的には、コンパクト化の結果として軽い3世代の物質粒子を導く可能性を指摘し、実際に、余剰次元としてオービフォールドS^1/Z_2を持つ5次元の大統一理論(そのゲージ群はSU(N))を出発点に取り、5次元に関するZ_2パリティをうまく選ぶことにより、5次元時空に存在するSU(N)の1つの多重項のゼロモードから3世代の物質粒子の大部分が導出されるような模型が存在することを見つけた。これらの研究内容を含む論文は学術誌に投稿し、現在査読中である。(詳細については、Webのe-print archive上に掲載されているプレプリントarXiv:hep-ph/0703195を参照してください。)日本物理学会2007年春季大会で報告した。2.様々な大統一模型(4次元時空あるいは高次元時空上で定義されたもの)を取捨選択するためにそれぞれの模型に特有な物理量の間の関係式の導出を試みた。より具体的には、4次元あるいは5次元の超対称性大統一理論を出発点に取り、様々なゲージ対称性の破れの形態に対して、それを反映した超対称化した標準模型の構成粒子の質量の間に成立する和則を導出した。これらの研究内容を含む論文は、近々、学術誌に投稿する予定である。研究結果の一部を日本物理学会2007年春季大会で報告した。
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Research Products
(1 results)