2006 Fiscal Year Annual Research Report
クォーク模型による現実的バリオン間相互作用とその少数多体系への応用
Project/Area Number |
18540261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 義和 京都大学, 大学院理学研究科, 講師 (70199397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 聖 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (00360587)
鈴木 宜之 新潟大学, 理学部, 教授 (70018670)
河野 道郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40234710)
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Keywords | クォーク模型 / バリオン間相互作用 / ストレンジネス / 共鳴群模型 / ハイペロン / ハイパー核 / Faddeev方程式 / 本研究 |
Research Abstract |
本研究は、現実的クォーク模型バリオン間相互作用であるfss2やFSSを用いて軽いΛハイパー核のFaddeev計算やBrueckner理論に基づく詳細なG-行列計算を行い、ハイパー核やハイペロン・核子相互作用の新しい実験データとの比較検討を通じて、より正確なハイペロン・核子相互作用やハイペロン・ハイペロン相互作用の理解を得ることを目的とする。今年度の成果として、まず任意の8重項バリオンB_8=N,Λ,Σ,三についてFSSとfss2を用いた対称核物質における完全なG-行列計算が可能になった。更に、今回新しく開発したfoldingの手法を用いてB_8α,B_8(3N)間のBorn kernelが計算され、Lippmann-Schwinger formalismとWigner transformの方法を併用して、fss2やFSSの予見するこれらの相互作用が詳しく調べられた。この方法では、G-行列の取扱いで重要なstarting-energy依存性と2バリオン間の重心運動量を正しく扱うことが可能である。これによりAハイパー核では、LS力を含めて従来のFaddeev計算によるFSSとfss2のΛN相互作用の特徴を再現すると同時に、Σα相互作用の強い斥力やΞα相互作用の弱い引力的特徴を明かにした。同様な手法を用いて、クォーク模型G-行列相互作用を用いたnα.RGMを行い、S-波とP-波の位相差は非常に良く再現されることが示された。このことは、G-行列で処理した現実的クォーク模型バリオン間相互作用は適当な中心力とスピン・軌道力を与えていることを示している。
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