2007 Fiscal Year Annual Research Report
クォーク模型による現実的バリオン間相互作用とその少数多体系への応用
Project/Area Number |
18540261
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 義和 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 講師 (70199397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 聖 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00360587)
鈴木 宜之 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70018670)
河野 通郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40234710)
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Keywords | クォーク模型 / バリオン間相互作用 / ストレンジネス / 共鳴群模型 / ハイペロン / ハイパー核 / Faddeev方程式 / G-行列 |
Research Abstract |
本研究は、現実的クォーク模型バリオン間相互作用であるfss2やFSSを用いて軽いΛハイパー核のFaddeev計算やBrueckner理論に基づく詳細なG-行列計算を行い、ハイパー核やハイペロン・核子相互作用の新しい実験データとの比較検討を通じて、より正確なハイペロン・核子相互作用やハイペロン・ハイペロン相互作用の理解を得ることを目的とする。今年度は、エネルギー依存性を除去した二体共鳴群模型によるクラスター間相互作用の定式化を用いて三体クラスターFaddeev fomalismとG-matrix fomalismの改良を行い、これまでの全ての結果を再検討した。この方法では、共鳴群模型の規格化積分核を道いて相互作用積分核を再度規格化し直し、エネルギー依存性を除いた二体クラスター非局所微視的相互作用を作成する。これにより、これまで問題であった9Beのoverbinding problemや3α基底状態がcompactになり過ぎるという問題点を克服出来る。三体クラスター系での結果は、一般にこれまでより少し小さい引力を与える。クォーク模型バリオン間相互作用を用いたtritonやhypertritonの再計算でも結合エネルギーが多少減少する。また、G-行列計算では核子やΛ-ハイペロンの一粒子ポテンシャルはこれまでの結果と殆ど変らないが、ΣやΞの一粒子ポテンシャルはかなり斥力的になる。しかし、B8=Λ、Σ、ΞとしてB8α系やB8(3N)系では、ポテンシャルの短距離部分が一般により斥力的になるだけで、中間領域や遠距離領域では殆んど変らない。これは規格化積分核による再規格化の効果が相互作用の短距離部分に主に寄与ためであると考えられる。
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