2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540264
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川合 光 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (80211176)
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Keywords | 超弦理論 / 行列模型 / 時空の生成 / 構成的定式化 / 統一模型 / 量子重力 / type IIA理論 / ゲージ重力対応 |
Research Abstract |
超弦理論を構成的に定義することによって、例えば格子ゲージ理論におけるように、いろいろな物理量が少なくとも原理的には可能な数値計算によって求まるようし、重力まで含めた究極の統一模型を構築することを目的とし、研究を進めた。本年度は大まかに次の2つのことを追求した。ひとつは、IIB行列模型を数値的および解析的な手法によって分析する試みである。具体的には、弦理論の様々な摂動論的真空が行列模型によってどのように実現されているかを調べた。特に、IIB行列模型の真空として10次元のtypeIIA理論が現れるメカニズムを発見した。まだ最終的な結論には達していないが、これが完成すれば、IIB行列模型が確かに超弦理論の構成的定式化になっていることの証明となるだけでなく、large-N極限のとり方を具体的にきめることができ、非常に興味深い。もうひとつの試みは、行列模型の立場からゲージ重力対応を調べ直してみることである。最近AldayとMaldacenaにより、重力側でのT-dualityが議論され、ゲージ重力対応の新たな側面が見えてきた。これに対し、ゲージ理論側でT-dualityを解釈すると、ゲージ理論におけるlarge-Nreductionに他ならないことがわかった。これは、ゲージ重力対応もIIB行列模型に内包されていることを示しており、大変興味深い。現在、以上のように行列模型と超弦理論の関係を調べているが、この方向の理論が完成した暁には、宇宙初期の時空構造をはじめ、今までの理論では考察できなかった時空の根本的構造にせまることができるようになると思われる。
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Research Products
(4 results)