2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540268
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阿部 恭久 Osaka University, 核物理研究センター, 協同研究員 (80000868)
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Keywords | 超重元素 / 重イオン核融合反応 / 散逸揺動動力学 / 統計崩壊理論 / 核分裂 |
Research Abstract |
1.重イオン核融合に於ける「融合阻害」(クーロン障壁を遙かに超える入射エネルギーを与えても融合しない)の機構を明らかにした。 2.超重元素合成について、冷核融合経路及び熱核融合経路を統一的にひとつの理論の枠組みで記述できることを示した。この理論は、クーロン障壁越えのみを考慮する従来の理論とは違って、融合が揺動或いは拡散によって起こるとする革命的なものであったが、現在では標準的方法としてこの分野の研究者に広く受け入れられている。 3.2原子核系から単一の複合核形成への過程での、Neck及び質量非対称自由度の役割を、動力学的機構を用いて検討した。具体的には、それぞれの自由度について、スモルコウスキー方程式を解析的に解くことによって定性的、定量的理解を可能にした。 上記3の成果を論文に纏めるため、理論物理研究所(CEA-Saclay)にて、共同研究者B.G.Giraud氏と理論的詰めについて意見交換した。それに基づいて、原稿の草稿を作成し、現在、共著者に配布し最終版の作成を行っている。さらに、上記2について、系統的な研究をすすめている。渡欧した機会を利用して、5月Dubrovnik(Croatia)で行われた国際会議にて、研究成果の一部を発表した。会議録はすでに出版されている。{研究発表欄参照}
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Research Products
(4 results)