2007 Fiscal Year Annual Research Report
核子散乱の非対称性を利用した中性子スキン・ハロー構造の研究
Project/Area Number |
18540272
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福田 光順 Osaka University, 大学院・理学研究科, 准教授 (50218939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松多 健策 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (50181722)
三原 基嗣 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60294154)
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Keywords | 核子密度分布 / 中性子スキン / 中性子ハロー / 陽子ハロー |
Research Abstract |
原子核同士の衝突確率を意味する反応断面積は、原子核の大きさ、すなわち核半径を調べるための有効な物理量である。原子核の構成要素である核子同士の衝突確率のエネルギー依存性が、中間エネルギー領域で急激に変化することを利用すると、さらに原子核の表面付近の核子密度分布を詳しく調べることができると考えられる。このことを利用し、不安定核における中性子スキンやハロー構造を調べられないかというのが、我々の目指す目標である。本研究では、そのための第1歩として、まず安定重核での中性子スキンの定量を3H-3Heのアイソスピン非対称プローブを利用して目指す。 本年度は昨年度に引き続き、2次ビーム3H,3Heを用い、Be,C,Al,Nb,Pbなど様々なターゲットに対して、その反応断面積を高精度で測定する実験を行った。実験は放射線医学総合研究所のHIMACシンクロトロン施設において、4He 180 MeV/nucleonの1次ビームを用い、昨年度より高エネルギー側の領域での測定を行った。多くの種類のターゲットについて測定した理由は、クーロン効果を正確に補正できるようにするためと、プローブ自身の核半径を軽いターゲット核のデータから導出するためである。この多種ターゲットに対応するため、標的遠隔交換器を導入し実験の効率化を達成した。その結果、昨年度と合わせて数10-200MeV/nucleonのエネルギー領域で3H,3Heに対する系統的で精度の良い反応断面積実験データを初めて得ることに成功した。 またこの他に、陽子ターゲットとしてのポリエチレンターゲット可能性についてもテストを行った。陽子ターゲットは、アイソスピン非対称度は最大のターゲットであり、自由に厚さの調整できる簡便な陽子ターゲットとしてのポリエチレンは、このような研究に対して非常に大きく貢献する可能性を持っている。
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Research Products
(14 results)