2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540275
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 眞人 Kobe University, 大学院・理学研究科, 助教 (30183817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷村 省吾 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (90273482)
竹永 和典 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (50379294)
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Keywords | 並進対称性 / 対称性の破れ / 高次元時空 / ゲージ理論 / 重力理論 / 超対称性 / 有限温度 |
Research Abstract |
今年度は次の2つのテーマを取り扱った。 (1)これまでの研究で我々は、5次元ゲージ理論および重力理論の4次元スペクトラムに量子力学的N=2超対称性が隠れていることを明らかにし、この超対称性の起源は高次元ゲージ対象性/一般座標変換不変性であることを示した。今年度は、より拡張したKarch-Randall5次元重力理論に対して解析し、2種類の量子力学的N=2超対称性の存在、ゼロモードの4次元宇宙定数依存性、場の2次の作用における大域的超対称的不変性の存在等を見いだした。また、4次元スペクトラムに現れた量子力学的N=2超対称性は、半無限の量子力学系の階層構造を背後に持つこちが明らかになった。超対称性と余剰次元の境界条件の間の無矛盾性を詳しく考察することによって、高々3つの連続する量子力学系が超対称性で結ばれうることを証明した。この結果は、質量を持たないスピン3以上の理論が存在しないという予想を裏付けるものとして興味深井。尚、研究発表に記載されている論文は、超対称性理論の非摂動論的効果を調べるために超対称性を格子上に定式化しようとする試みである。 (2)前年度で有限温度での高次元ゲージ理論の解析を行ったが、今年度はそれをさらに発展させた研究を行った。一般的な物質場と結合した高次元ゲージ理論の1ループ近似での有効ポテンシャルを求め、3つの異なる表式に表すことに成功した。それぞれの表式は、高温近似、低温近似、数値解析に適しているものである。これらの表式を用いて、低温側と高温側での真空構造を解析した結果、低温側では温度T=0とした高次元理論の真空が実現され、高温側ではフェルミオンの寄与はなくなり温度方向の次元がなくなった1次元下がった理論での真空が実現されることがわかった。この結果から、細谷機構によるゲージ対称性の破れは予想に反して一般に高温でも起こりうることが明らかとなった。宇宙論への応用が期待できる。
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Research Products
(6 results)