2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540279
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋本 正章 九州大学, 理学研究院, 教授 (20228422)
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Keywords | 超新星 / 元素合成 / 高密度星 / 磁気流体 / ニュートリノ |
Research Abstract |
太陽質量(M_【of sun】)の13倍と40倍の質量の星について超新星爆発を2次元の磁気流体コードを用いてシミュレーションした。13M_【of sun】の星については親星の鉄コアの重力崩壊からバウンスと衝撃波通過を計算し、計算データを用いて重元素合成を行った。その結果、鉄コアが高速回転しかつ強磁場を持つ場合、r-過程という重元素生成過程が実現することを示すことができた。超新星の磁気流体爆発によるジェットで本格的元素合成を行ったのは初めてであり特にr-過程元素の3つのピークを再現できたことは重要な成果と思われる。ただし、生成された原始中性子星からのニュートリノによる反応を考慮した場合r-過程が起きない可能性もあると分かった(S.Nishimura et al.2006)。さらに衝撃波ジェットが親星の酸素層を通過するさいp-過程元素合成が起きることも分かった(N.Nishimura et al.2006)。p-過程は近年、超新星のメカニズムと密接な関係があることが分かってきたので今後の研究の進展に大きなモチベーションとなった。また重力崩壊の際QCD相転移が起こる可能性を調べた。その結果相転移の有無により重力波の波形が大きく影響をうけることが分かった(Yasutake et al.2007)。この結果は親星の質量にあまり依存しないことも分かった。 大質量星の超新星爆発は親星がある質量を超えると中性子星を残さずブラックホールを残すことが示唆されているが、特にコラプサーというモデルはガンマー線バーストの有力なモデルとなっている。40M_【of sun】の親星モデルと磁気流体コードを用いてコラプサーのシミュレーションを行った。その結果、ある強磁場、強微分回転を与えた初期モデルにたいして、強いジェットが放出されることが分かった。しかしジェットは相当量のバリオンを含むため、ガンマー線バーストに発展するのは困難で極超新星や、超新星になり損ねるモデルとして有効なことが判明した。さらに多様な元素合成が可能となることも分かった(Fujimoto et al.2006,2007)
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