2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
八尋 正信 九州大学, 理学研究院, 教授 (40300537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷六 一生 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (20104812)
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Keywords | ハドロン / 5次元重力模型 / 有限温度 / 有限密度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ハドロンの諸観測量を再現する高次元重力理論を探査し、QCD(量子色力学)に等価な重力理論モデルを現象論的につくることにある。BrodskyグループやKatzグループは、軽いハドロンの性質を10%程度の誤差で再現する5次元重カモデルを提案した。 今年度は、この理論を有限温度へと拡張した。有限温度系に対する5次元重力モデルを構築するには、5次元時空としてAdS-Schwarzschild時空を用いるのが自然である。この時空を仮定して、有限温度系における種々のメソンの質量を数値計算した。その結果が格子QCD計算やカイラル摂動論の結果の定性的性質を再現することを示した。これによって、上記の5次元重カモデルが有効なモデルであることを示した。そして、π中間子速度を求め、最近のRHICの実験値と比較し、矛盾のない値になっていることを示した。 有限密度における5次元重力モデルを構築するために、まず、通常の4次元モデルでの真空やハドロンの有限密度依存性を理解する必要がある。このため、有効理論として知られているNambu-Jona-Lasinio(NJL)モデルを拡張した「拡張されたNJL模型」を考案し、有限密度によるカイラル相転移のあり方の研究を行った。ここで提案された「拡張されたNJL模型」では、4点以上の相互作用として、8点相互作用が付加されている。この8点相互作用がカイラル相転移に及ぼす影響を調べた。
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Research Products
(3 results)