2007 Fiscal Year Annual Research Report
COMPASS実験によるハドロン構造とエキゾチックハドロンの研究
Project/Area Number |
18540281
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
松田 達郎 University of Miyazaki, 工学部, 准教授 (20253817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 治隆 宮崎大学, 工学部, 教授 (30025465)
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Keywords | 素粒子実験 / 実験核物理 / 加速器 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究はヨーロッパ合同原子核研究機構(CERN)の超陽子シンクロトロン加速器を用いてCOMPASS国際共同研究として核子のクォーク・グルーオン構造を高精度で測定し、またエキゾチックハドロンの探索および反応特性の解明を行うことを目的とする。本年度は標的を重陽子から陽子標的に変更し、スピン偏極ミューオンビームを用いて、陽子の横偏極および縦偏極でのスピン構造関数導出のためのデータ収集を2007年5月下旬より11月上旬まで行い、目標とする統計量のデータ収集を行うことができた。今後、データ解析を経て核子構造に関する物理的結果を見込む。データ解析によって得られる陽子に関する3つの構造関数、すなわち1.陽子のクォークの横偏極構造関数、2.陽子のグルーオンの縦偏極構造関数、3.陽子のクォークの縦偏極構造関数を測定する。これら陽子の構造関数はこれまでドイツDESY研究所のHERMES実験による測定のみで、独立した他実験による確認が切望されていた。加えてCOMPASS実験はスピン偏極レプトンビームとしては世界最高エネルギーであるため、HERMES実験では測定できない低X領域と呼ばれるパートン粒子の微小運動量領域を測定できるため、核子構造の基礎データの精度を向上させ、核子構造の理解を前進させるものである。さらに次年度のハドロンビーム実験の準備を進め、水素標的などの製作を行った。またハドロンビーム実験のための実験的理論的検討を行い、探索すべきエキゾチック中間子の研究を推進させた。
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Research Products
(5 results)