2007 Fiscal Year Annual Research Report
時空・物質を生成する行列模型及び紐理論に於ける可積分性の出現
Project/Area Number |
18540285
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
糸山 浩 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (30243158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 武志 大阪市立大学, 大学院・理学院研究科, 博士研究員 (70419688)
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Keywords | integrable system / Seiberg-Witten curve / prepotential / Whitham hierarchy / Alday-Maldacena duality / partial susy breaking / AdS_5 × S^5 superstring / minimal surface |
Research Abstract |
平成19年度は研究代表者(糸山)の過去15年の研究の大きなテーマのであるところの 1)超対称ゲージ理論の非摂動効果、2)紐理論及び場の理論に於ける可積分性の出現に関して大きな進展があった。 まず前半では、前年度末に丸吉とともに行ったダイヤグラムによる一般的解析、小西ANOMALYにもとづくSCHWINGER-DYSDN方程式の導出により、所謂藤原・糸山・阪口のFIS模型においたは、GLUINO CONDENSATEを変数とするEFFECTIVE SUPERPOTENTIALに対して、所謂DIJKGRAAF-VAFAの係式が破れていることを我々は確信していた。5月に出した第一論文では、ダイヤグラム解析により確かに破れがあることを証明した。10月に出した第二論文ではこの破れの関係式がパラメターmの任意の値でどう与えられるかを、厳密な関係式としてS-D方程式とRIEMAN面の構造により導出した。ここ数年継続的に研究を行っている自発的部分的にSUSYがN=2からN=1へ破れる模型の研究に関しては、丸吉、阪口と協力してQUIVERゲージ場が含まれる場合にこの模型を拡張することに成功した。 中盤では、10月初めにMOSCOWに海外出張し、MOROZOVと議論し、ALDAY-MALDACENAに始まるADS minimal surfaceの問題を考察することにした。これもある種の可積分系の変形問題である。学振短期招へいの2ヶ月間を用いて、N点振幅の近似解にかんする2本の論文を仕上げた。ADS空間内を走る紐に対するNAMBU-GOTO方程式は非線形であるが、それを線形化して得られるラプラス方程式の拡張(TOYAMA-MIRONOV-MOROZOV方程式)を導出し、その解を構成した。BOUNDARYRINGと呼ばれる一連の多項式を導入し、MINIMAL SURFACE問題への妥当性を論じた。 本年度後半は、MOROZOV帰国後もITOYAMA-MIRONOV-MOROZOVの協同研究を続けた。我々は上記非線型方程式のCIRCLEに対する厳密解を求めていた。この任意微小変形(WAVY CIRCLE)に対する極小局面の面積及び対応するBDS GLUON振幅は評価可能であることに気づいた。両者が、無限個の係数のうちわずかが食い違うゆえに合致しないことを示した。これは一種のANOMALYである。また大田、吉岡と協力して、ADS 5 XS5 SUPERSTRINGSでUNIFORM LIGHT-CONE GAUGEを取ったときのNAMBU-GOTO型ACTIONを構成した。
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