2006 Fiscal Year Annual Research Report
Landau-Pomeranchuk-Migdal効果の研究
Project/Area Number |
18540289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
小林 正 青山学院大学, 理工学部, 助手 (60082822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 禎宏 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (50114161)
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Keywords | 宇宙線 / 宇宙物理 / 電磁相互作用 |
Research Abstract |
入射電子が初めて作る電子対の深さ分布は制動輻射の断面積に鋭敏で、LPM効果の検証にはシャワー発生点分布を調べることが最も効果的である。1ミクロン以下の位置分解能で飛跡を判別できる優れた検出器であるエマルションチェンバー(ECC)を用いて、300GeVまでの電子シャワーの発生点分布を調べるためCERNにBeam timeの使用申込みを行い、H6ビームラインで2006年7月4日〜12日間の実験が採択された。加速器実験の準備を行っていたが、2006年5月にCERN加速器の電源が故障を起こし実験は中止となった。 2007年度に再実験を行うために佐藤が2006年11月にCERNへ打ち合わせに行き、300GeVまでの電子線照射が行えるH4ビームラインへの実験申込を行った。2007年3月にCERNよりH4ビームラインでの実験採択の報告があった。 2004年にCERNのH4ビームラインで50GeVと200GeV電子のECCへの照射実験を行い、200GeVのシャワー発生点分布の解析結果はMigdalの断面積を用いた期待値と良く一致することを碓認した。今年度は50GeV電子のシャワー発生点分布の解析行い、Bethe-Heitlerの断面積を用いた期待値と良く一致する結果を得た。以上の解析から300GeV電子のシャワー発生点分布を調べる事でLPM効果の検証が明確にできると考えている。又、新しいBaier等による制動輻射と電子対生成の断面積とMigdal断面積の比較の検討を行い、高エネルギーでは両者の差が小さい事を碓認した。
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