2007 Fiscal Year Annual Research Report
超新星爆発計算のための現実的核力に基づく核物質状態方程式の作成
Project/Area Number |
18540291
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鷹野 正利 Waseda University, 理工学術院, 教授 (00257198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
親松 和浩 愛知淑徳大学, 現代社会学部, 教授 (10262883)
住吉 光介 沼津工業高等専門学校, 教養科, 准教授 (30280720)
山田 章一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80251403)
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Keywords | 反応拡散方程式 / 正値定常解 / 写像度理論 / 分岐理論 / 非線形拡散 / Lotka-Volterra型競合モデル |
Research Abstract |
現実的核力から出発した、超新星爆発数値シミュレーション用の核物質状態方程式を作成する研究を進めた。昨年度は一様核物質状態方程式の作成を行ったが、超新星物質中では非一様状態も現れるため、そのような非一様核物質の状態方程式を作成する必要がある。本研究では一様核物質状態方程式を用いて、Thomas-Fermi(TF)計算によって非一様核物質状態方程式を作成する。この際、低密度極限で現れる原子核について、TF計算結果が現実的である事が望まれる。 そこで今年度は、一様核物質状態方程式を用いてTF計算により孤立した原子核を計算し、その質量、半径、β安定線等の大局的経験地を再現するよう、一様核物質状態方程式に含まれるパラメターを調節した。一様核物質状態方程式作成に用いられた3体核力には不定性があるため、この不定性を利用して、3体核力から生じるエネルギー寄与E3に含まれるパラメターを微調整することにより、上記のようなβ安定核の経験値を再現する。特に状態方程式の対称エネルギーとβ安定線との関連について議論を進め、特にE3に含まれる2π交換項の振舞いについての考察も行い、これらの経緯を複数の国際会議等で報告した。現在パラメター調節作業は最終段階にある。 また昨年度は中性子物質と対称核物質に対する状態方程式を作成したが、実際の超新星物質は非対称核物質である。そこで今年度は、昨年度までに用いた変分法を拡張し、非対称核物質状態方程式の計算を行った。そして対称エネルギーの陽子混在度x依存性について調べ、絶対零度においては対称エネルギーがxについて2次的に変化するのに対し、有限温度における対象自由エネルギーのx依存性は、xの2次的振舞いからずれる事を確認した。
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