2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Matsumoto University |
Principal Investigator |
室谷 心 松本大学, 総合経営学部, 教授 (70239557)
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Keywords | QGP / 相対論的粘性流体 / 輸送問題 / HBT効果 / 多重発生 / ハドロン / 分子動力学 / 緩和現象 |
Research Abstract |
RHIC重イオン実験で報告されている粒子相関の実験データとCERN重イオン実験の粒子相関の実験データとを,統一的な立場から議論した.2体相関に関しては従来から精力的に議論されてきたが,ここでは特にπ粒子の3体相関に注目して,2体相関と3体相関とを統一的に議論することによって,粒子生成源の混濁性と生成粒子数に正の相関が見出せることを議論した.粒子相関は多重発生の粒子源についての重要な情報を与えることが知られているが,実際の実験データには粒子生成後の崩壊や散乱の影響が混じってしまい,生成源の情報を生成後の粒子の相互作用の影響から分離して取り出すことは簡単ではない.ここでは,統計モデルを用いたハドロンガスについてのシミュレーションを利用して生成源に起因する相関評価し,とくに生成源の混濁性について核子あたり17GeVのCERNでの原子核衝突実験から,核子あたり200GeVのRHICのデータまでを統一的に解析した. 現在RHICのデータ解析で使われている流体モデルは多くは完全流体モデルであるが、緩和現象を考慮に入れた場合には粘性を無視できるとは限らず、より一般的なナビエ・ストークス方程式の利用が考えられる。しかしながら、従来よく用いられてきたランダウ・リフシッツ型の相対論的ナビエ・ストークス方程式は拡散型であり、相対論的因果律と矛盾するという問題がある。ここではとくに、IsraelとStewartにより拡張された,緩和を考慮した粘性流体方程式を採用し,この方程式に新たに現れる新しい輸送係数を微視的に評価する処方箋の確立を目指し,簡単な場合を議論した.さらに,実際にHadro-Molecular Dynamicsシミュレーションを用いて,ハドロン流体についてIsraelとStewartの相対論的粘性流体方程式の係数を定量的に評価した.
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Research Products
(4 results)