2006 Fiscal Year Annual Research Report
大強度ビームライン用真空膜およびその冷却機構の研究・開発
Project/Area Number |
18540300
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
山田 善一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (00200759)
|
Keywords | 素粒子実験 / 加速器 / 放射線、X線、粒子線 / 熱工学 / 流体工学 |
Research Abstract |
大強度ビームライン用真空膜の一例として、J-PARCニュートリノビームラインの一次ビームラインと標的用ヘリウム容器を分離する真空膜に関して、MARS、GEANT、ANSYS等のシミュレーションプログラムを用いて、大強度陽子ビームが通過する際の温度上昇や熱応力を評価し、半球状の二重膜の間にヘリウムガスを流して冷却する、という基本設計に問題が無いことを確認した。また、後述する英国の研究協力者に、パルスビームによる熱衝撃とその伝搬のシミュレーションを依頼し、0.3mm厚のTi-6Al-4V合金膜が3×10^<14>個の陽子ビームによるパルス衝撃に耐えられることを確認した。また、二重膜間のヘリウムガスの流れのシミュレーションを依頼し、半円球表面で、想定している100W/m^2Kの熱伝達率が達成できることを確認した。次に、このような真空膜装置全体の設計を行い、装置の遠隔着脱を可能にするピローシールフランジに関して、英国の研究協力者及び経験を持つ会社の技術者と、ステンレス製ピローシールフランジとチタン合金膜の組み立て方法等の実装方法を検討し、装置全体の試作図面を作成した。また、ピローシールフランジの真空シールの要となる部品である、鏡面対向フランジ及びヘリコフレックスシールの試作を行った。 これらの研究は、高エネルギー加速器研究機構の技術職員の山岡広氏、小池重明氏、英国ラザフォード・アペルトン研究所の技術職員のChristopher Densham氏、Vishal Francis氏、Matthew Rooney氏、Michael Fitton氏の各氏の協力を得て行った。又、高エネルギー加速器研究機構の技術職員の山野井豊氏の技術的助言に基づいている。
|