2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540314
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
佐々木 重雄 岐阜大学, 工学部, 助教授 (30196159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 徹二 岐阜大学, 工学部, 助手 (30293541)
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Keywords | メタンハイドレート / 水素結合 / ラマン散乱 / 赤外吸収分光 / ダイヤモンド・アンビル・セル |
Research Abstract |
メタンハイドレートの高圧相である"filled ice"相において,水素結合対称化は氷-VII相より20GPaも低い40GPaで発現することが第一原理計算によって予測されている。しかし,この"filled ice"相における水素結合対称化の実験的証拠は未だ得られていない。そこで本研究課題ではメタンハイドレートを含む各種"filled ice"単結晶を作製し,超高圧ラマン散乱および赤外吸収分光測定を利用して水素結合対称化発現を探査,またその発現プロセスを調べることを目的とする。平成18年度においてはガスハイドレートの水素結合の振動スペクトルを得るために,分光測定のとき氷(水)の信号の影響を受けないガスハイドレート単結晶-ゲストガス(液体または固体)の2相共存状態を実現することを主目的とし,以下の結果を得た。(1)メタンハイドレート-流体メタン(または固体メタン)の2相共存状態を実現するために,少量の水と流体メタンを高圧ダイヤモンド・アンビル・セル(DAC)に封入する技術を確立した。(2)さらに,この技術を用いてDACに試料を封入し,温度・圧力を制御することによって,流体メタン中にメタンハイドレート結晶を生成することに成功した。また,メタンハイドレート単結晶の作製には正確な温度・圧力制御が必要であることが分かった。(3)(2)で作製したメタンハイドレート結晶に対して高圧ラマン散乱測定を行い,水のラマンスペクトルの影響を受けていない純粋なメタンハイドレートsI相,sH相の信号を得ることに成功した。(4)また,7月にドイツ,ブレーマーハーフェンで開催された第11回氷の物理と化学に関する国際会議(PCI 2006)に参加・発表し,メタンハイドレート高圧相に関する最新の情報の収集を行っている。
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