2006 Fiscal Year Annual Research Report
ラマン分光による半導体クラスレートのゲストーホスト相互作用と超高圧相転移
Project/Area Number |
18540315
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
清水 宏晏 岐阜大学, 工学部, 教授 (80023258)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 重雄 岐阜大学, 工学部, 准教授 (30196159)
久米 徹二 岐阜大学, 工学部, 助教 (30293541)
|
Keywords | 高圧科学 / 半導体物性 / ラマン散乱 / ナノ材料 |
Research Abstract |
高圧ラマン分光による半導体クラスレートの研究を行った。対象とした物質は、BaドープのタイプI、ゲルマニウム・クラスレートBa_8Ge_<43>、タイプIIIのゲルマニウム・クラスレートBa_<24>Ge_<100>、そしてチャンネル構造を示すBaAl_2Si_2であった。これらのクラスレート化合物においては、Ba原子がゲストとなり低波数域において「ラットリング」振動を示すと言われている。 本研究の成果は、次のようにまとめられる。 1.クラスレート化合物Ba_8Ge_<43>、Ba_<24>Ge_<100>、BaAl_2Si_2において、ゲストBa原子のラットリング振動を、ラマン散乱の低波数域(30cm^<-1>-100cm^<-1>)で、世界で初めて観測することに成功した。 2.これらの化合物のホストであるGeのカゴ構造と、AlとSiによるチャンネル構造の振動、いわゆるフォノンの観測を高波数域(100cm^<-1>-500cm^<-1>)で行い、それらの特徴付けと考察をした。 3.超高圧力下、30万気圧までのラマン散乱測定に成功し、各種の圧力誘起構造相転移やアモルファス化を見つけ、シリコン・クラスレートの構造安定性との比較を行い、半導体クラスレートの総合理解を示した。
|