2006 Fiscal Year Annual Research Report
NaCl型Mott半導体FeMnSおよびCrMnSの圧力誘起相転移の研究
Project/Area Number |
18540317
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
美田 佳三 大阪大学, 大学院基礎工学研究科 (40231617)
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Keywords | Mott絶縁体 / 高圧力 / 相転移 |
Research Abstract |
研究初年度である本年は試料FeS-MnSの入手と高圧セルの準備までを行った。また関連する国際会議や学会に出席することによりこの分野の動向を調査した。 ・研究用試料は共同研究者であるロシアのキレンスキー研究所のPetrakovskii教授が来日した折に教授から直接受け取った。今回受け取った試料はFeS-MnSの混晶でインゴット状のものであり混晶比は超巨大磁気抵抗効果の発生する前後のFeSが25%、27%そして29%含まれているものであった。 ・加圧用のダイヤモンドアンビル購入においては13個の結晶のうちから低蛍光のものを一組選別し成形してもらったものを購入し高圧セルに貼り付けた。光学的に金属転移圧を調べるには赤外反射によりDrude端を観測する必要があり、それには試料とアンビルとの間に隙間が無いようになっていることが重要である。よって結晶を乳鉢ですりつぶしガスケットのサンプル室に隙間無く充填した。しかし光学測定においては粉末状試料の結晶微粒界は光の散乱中心となり著しく信号強度を弱めるため、あらかじめ粒界が消失するまで予備加圧して試料を光学的に均一、透明におく必要がある。今回は手始めに混晶比25%の試料の予備加圧を開始した。 ・関連分野についての情報収集では[1]ウイーンで開かれた第28回半導体物理国際会議、[2]横浜で開かれた第20回ラマン分光国際会議、そして[3]千葉大学で開かれた物理学会の3つの学会に参加して強相関物質の圧力効果や光学的特性に関する情報の収集に努めた。前二者においてはこれまでの研究成果のうち本研究に関連する強相関物質関連の成果の未報告の部分について報告を行った。
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