2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540320
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
篠塚 雄三 和歌山大学, システム工学部, 教授 (30144918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
字野 和行 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (90294305)
秋元 郁子 和歌山大学, システム工学部, 講師 (00314055)
越野 和樹 和歌山大学, システム工学部, 助手 (90332311)
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Keywords | 光物性 / 超格子半導体 / 窒化物 / 発光素子 / 量子井戸 / 混晶半導体 / スピン共鳴 / 電子相関 |
Research Abstract |
本研究では、窒化物混晶半導体を対象に、発光過程がどのような始状態から生じているのかを、緩和励起子についての理論研究と発光測定およびダブルパルス電子スピン共鳴の実験研究の協力により明らかにする。H18年度は以下の研究を実施した。 1)まず格子変形の無い混晶量子井戸中の電子状態について、CPAを並進対称性のない有限サイズ系に拡張し、2元混晶A_xB_<1-x>からなる量子井戸中のFrenkel型励起子のエネルギーと光吸収スペクトルの数値計算を行った。量子井戸の大きさと次元性、A-B原子のポテンシャル差、組成比に対する変化を系統的に明らかにした(JJAP 45(2006)8733)。理論をさらに拡張し、A-B原子間のtransfer energyに関する非対角的な乱れの効果についてLocator展開を用いてGreen関数へ取り込む方法を考案した。 2)GaInNAsおよびGaInNAsSbは、GaInAsにN原子を添加した、局所的に大きな歪みをもつ混晶半導体である。この材料系に関し、窒素原子に関連した局所歪みを定量的に評価するためにX線微細構造吸収法と第一原理計算をこれまで実施してきた。実験結果をより確かなものにするために、H18年度はより精度の高いDFT-PAW法による第一原理計算を実施して検証を行った。その結果、In-N間の原子間距離がDFT-GGA法よりも改善され、局所歪の評価にDFT-PAW法が有効であることが分かった。 3)窒化物混晶半導体Ga_xIn_<1-x>N_yAs_<1-y>(x=0.76,y=0.015)の1200 mono-layerからなる超格子構造について、CWおよびpulse ESR測定を4.2K〜300Kの温度領域で試みた。紫外光レーザー(325nm)を用いた定常励起下で、生成キャリアもしくはその局在状態によるESR信号の取得を期待したが、500-14,000G(0.05-1.4T)の範囲で信号は観測されなかった。その後、ESR試料管内での光照射の方法を改善したので、対象材料の組成と構造について再検討した上で、さらに研究を進める。
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Research Products
(1 results)