2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540320
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
篠塚 雄三 Wakayama University, システム工学部, 教授 (30144918)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 和行 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (90294305)
神野 賢一 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80024339)
|
Keywords | 窒化物 / 半導体物性 / 光物性 / 量子井戸 / スピン共鳴 / 発光素子 / 混晶半導体 / 電子相関 |
Research Abstract |
窒化物混晶半導体を対象に、発光過程がどのような始状態から生じているのかを、緩和励起子についての理論研究と発光測定およびダブルパルス電子スピン共鳴の実験研究の協力により明らかにすることが本研究の目的である。H19年度は以下の研究を実施した。 1) 2元混晶A_XB_<1-X>からなる量子井戸中のFrenkel型励起子について、CPAを並進対称性のない有限サイズ系に拡張を試み、A-B原子間のtransfer energyに関する非対角的な乱れの効果についてLocator展開を用いてGreen関数へ取り込む方法を考案した。光吸収スペクトルの数値計算を行い、その結果を現在、論文にまとめているところである。 2) GaInNAsSbのSb原子周辺の微細構造の測定について、既存のEXAFSの実験結果はSb組成が希薄(<1at%)であったため、解析結果に高速フーリエ変換の際にゴーストが生じていた。これをバックグランド補正の際に数値処理を行い影響を低減した。その結果、実験結果の精度を上げることに成功した。また、これまでの成果を"Thermal Annealing Effect and Local Atomic Configurations in GaInNAsSb Alloys"というタイトルの論文にまとめ、Applied Physics Express誌に投稿した。 3) GaNのストライプ構造上に作製された多重量子井戸構造InxGa1-xN/GaN半導体の光学特性を、顕微分光システムにおいて調べた。いくつか組成の異なる試料で、組成比の違いに起因すると考えられる発光帯が、赤から青の範囲で観測された。これらの発光はいずれも10ナノ秒以下の速い減衰を示すことがわかり、パルスESR測定に適さない系であることが判明した。光照射下でCW-ESR測定を試みたが、これらの発光始状態に由来するESR信号は得られなかった。光強励起の条件下では、InxGa1-xN由来の発光帯の他に青色領域にバッファー相GaNに由来と思われる発光帯が新らたに観測されることを見いだした。この発光帯強度は光励起強度に対して非線形に変化するので、光キャリアの蓄積現象と関連した発光と考えられる。
|
Research Products
(1 results)