2006 Fiscal Year Annual Research Report
電子分光法を用いたDNAの直接内殻励起に由来する損傷素過程の研究
Project/Area Number |
18540326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
間瀬 一彦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (40241244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 英一 産業技術総合研究所, 固体高分子形燃料電池先端基盤研究センター, 産総研特別研究員 (80319376)
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Keywords | 光電子分光 / DNA / オージェ電子分光 / 放射光 / オージェ-光電子コインシデンス分光 / 電子-イオンコインシデンス分光 |
Research Abstract |
放射線によるDNA(デオキシリボ核酸)の損傷研究は放射線生物学において極めて重要なテーマであるが、その原子分子レベルでの素過程を電子分光法などによって明らかにする研究は未開拓の分野である。損傷には、DNA自身の電子励起に由来する直接的な損傷過程と、DNA近傍の水分子の電子励起などにより生成したラジカルなどによる間接的な損傷過程が存在すると考えられている。直接的な損傷過程としては、内殻イオン化、オージェ過程、イオン脱離というオージェ刺激イオン脱離過程が重要である。そこで我々は、DNAに放射光を照射して、X線光電子分光法、イオン運動エネルギー測定法、コインシデンス分光法を用いて内殻光電子放出、オージェ過程、イオン脱離を測定することにより、DNAの内殻励起に由来する化学結合切断素過程を解明することを目的として本研究を立案した。 DNAにおけるオージェ刺激イオン脱離過程を研究するには、光電子放出とオージェ過程の相関を測定できるオージェー光電子コインシデンス分光法(APECS)、電子放出とイオン脱離の相関を測定できる光電子-光イオンコインシデンス(PEPICO)分光法、オージェ過程とイオン脱離の相関を観測できるオージェ電子-光イオンコインシデンス(AEPICO)分光法が必要である。そこで平成18年度は、以上3つの分光法を1台で行えるICF203マウント型電子-電子-イオンコインシデンス(EEICO)分光装置を開発し、金表面上に作製したDNA自己組織化膜のコインシデンス測定を行なった。しかしながら、S/B比のよいデータを測定することはできず、唯一、C-KVV-C-1sAPECS測定のみ成功した。DNAの直接内殻励起に由来する損傷素過程の研究を行なうには、コインシデンス分光器の感度を高めるなどの工夫が必要であることがわかった。
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Research Products
(4 results)