2007 Fiscal Year Annual Research Report
有機半導体界面における電荷輸送機構の解明と機能性単分子膜による制御
Project/Area Number |
18540328
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Research Institution | 株式会社日立製作所(研究開発本部) |
Principal Investigator |
諏訪 雄二 株式会社日立製作所(研究開発本部), 基礎研究所, 主任研究員 (20216500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋詰 富博 株式会社日立製作所(研究開発本部), 基礎研究所, 主任研究員 (70198662)
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Keywords | 有機半導体 / 有機トランジスタ / 単分子膜 / ショットキーバリア / 界面 / 電気双極子 / 第一原理計算 / 有効遮蔽場法 |
Research Abstract |
本研究では有機トランジスタにおける有機半導体の電子状態を制御する方法として、極性のある単分子膜を界面に接触させるという方法を検討している。前年度までの研究で、フッ素系の単分子膜使用で0.15V程度のポテンシャルシフト効果が得られることが計算で予測され、接触抵抗が1/3程度の低減されることが実験的に確かめられた。 その実験で、作成可能な最大密度の単分子膜よりもわずかに低い密度の単分子膜で最大の接触抵抗低減効果が得られることがわかったので、今年度はまず、効果を最大化する分子面密度を求める計算を行った。分子間の相互作用を考慮すると面密度に最適値が存在する事が説明可能で、最適値は分子種によって異なり幅があるが、平均的には飽和最大密度以上であることがわかった。従ってほとんどの場合、分子間相互作用によって単分子膜の効果が低く抑えられるという心配は無い。 次に、絶縁体上に単分子膜を形成し有機半導体を乗せた構造の電子状態計算を行い、ゲート電圧の閾値をシフトさせる可能性を検討した。シリコン酸化膜上にシランカップリング剤を用いて吸着させた単分子膜の計算を行った結果、金属上の単分子膜よりもはるかに大きい、1.3V程度のポテンシャルシフト効果が得られることがわかった。従って閾値電圧の調整・制御に役立つ可能性が十分にある。この結果に基づいて実験を行ったところ、1.3V以上に大きな閾値シフト効果があることが確かめられた。これは電圧の印加など、計算で考慮していない効果が加わった結果だと考えられるので、今後この付加効果をより詳しく検討する必要がある。
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Research Products
(5 results)