2007 Fiscal Year Annual Research Report
層状マンガン酸化物のフォノン物性の圧力効果とグリフィス相のスローダイナミクス
Project/Area Number |
18540333
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
松川 倫明 Iwate University, 工学部, 教授 (40221585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 則之 岩手大学, 工学研究科, 准教授 (80250637)
中西 良樹 岩手大学, 工学研究科, 助教 (70322964)
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Keywords | 超巨大磁気抵抗(CMR)効果 / 層状マンガン酸化物 / 巨大磁気熱量効果 / グリフィス相 |
Research Abstract |
ペロブスカイト型Mn酸化物は超巨大磁気抵抗(CMR)効果、強磁性金属・常磁性絶縁体(FM-PI)転移、電荷整列相転移等の多彩な物性を示す事が知られている。バンド幅の狭い系の示す一次転移型のCMR効果やマンガン酸化物の相図の統一的理解のためには、相分離モデルがより有効であると考えられる。また、マンガン酸化物の不均一な常磁性相(短距離のFMクラスターやCOクラスターが常磁性マトリックスに存在する状態)をグリフィス相の枠組みで理解することにより、巨大磁気応答の物理を捉える理論的なアプローチもある。第一に磁場誘起型絶縁体・金属転移を示す層状マンガン酸化物単結晶の磁気歪み、磁気抵抗の緩和現象の圧力効果の実験を行った。その結果、圧力印加により、緩和時間が100倍以上長くなることを見出した。また、この緩和曲線が、拡張指数関数によって記述されることを示した。 近年、磁場誘起のメタ磁性転移を示すマンガン酸化物系において、非常に鋭い磁化のステップが低温領域で報告されている。次に我々は、このステップ状の強磁性金属転移の起源を探るために、磁場誘起型絶縁体・金属転移を示す層状マンガン酸化物単結晶の磁歪のステップ現象の研究を行った。 (1)この磁歪は、強磁性金属転移を伴う一次相転移であり、転移幅は、数ミリテスラ程度の鋭い変化を示す。試料の瞬間的な温度上昇は15Kにも達する。(巨大磁気熱量効果) (2)ステップの大きさは冷却磁場の増加とともに減少し、冷却磁場が1.7T以上ではステップ状の変化は消える。
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Research Products
(5 results)