2006 Fiscal Year Annual Research Report
低次元量子スピン系におけるボンド変化とフラストレーションの競合と協力
Project/Area Number |
18540340
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 清美 東京工業大学, 大学院理工学研究科 (40152342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
利根川 孝 福井工業大学, 工学部, 教授 (80028167)
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Keywords | 磁性体 / 低次元系 / フラストレーション / スピン / 量子相転移 / 統計力学 |
Research Abstract |
(1)ボンド交代とフラストレーションのあるスピン鎖における,格子と整合的である秩序と非整合的である秩序との競合は,F_5PNNと略称される有機磁性体で起こっているのではないかと思われている.この物質に対応すると思われるモデルを詳細に検討し,いわゆるsupersolidの可能性についても論じた. (2)フラストレーションと三量体性が共存するモデルでスピン間相互作用の異方性がXXZ的であるとき,ハミルトニアンと状態関数の異方性逆転現象とでも呼ぶべき現象が起こる.このようなモデルを詳細に検討し,相図で新奇なタイプの多重臨界点が見られることを見いだした. (3)梯子型スピン系における4体循環交換スピン相互作用の影響について調べた. (4)S=1とS=2のスピンが交互に並ぶ鎖状磁性体は実際に合成されている,この系ではスピン間相互作用Jをかなり広範囲にコントロールできるため,いわゆる一軸異方性Dとの大きさの関連が通常のJ>>Dに加えてJ<<Dの状況も作り出すことができる.我々は種々の手法を用いてこのモデルを解析中である.高スピンの内部自由度を反映して,非常に豊かな相図が得られている. (5)アズライト(藍銅鉱)の磁性は歪んだダイヤモンド型スピン鎖モデルでよく記述されると思われているが,実験データから相互作用パラメーターを定量的に決定することを試みた.
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Research Products
(6 results)