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2008 Fiscal Year Annual Research Report

強相関係における電子スピン共鳴の新理論展開

Research Project

Project/Area Number 18540341
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

押川 正毅  The University of Tokyo, 物性研究所, 教授 (50262043)

Keywords磁性 / 強相関電子系 / 物性理論 / 統計力学 / 電子スピン共鳴 / 場の理論
Research Abstract

整数スピン反強磁性鎖や、スピン梯子系などの1次元スピンギャップ系でギャップΔが交換相互作用Jに比べ小さい場合のESRの理論を考えた。このような系は1+1次元の非線形シグマ模型で記述できる。温度TがΔ<<T<<Jを満たす領域にあるとき、非線形シグマ模型のダイナミクスは古典的な運動方程式によって支配される。従って、古典モンテカルロ法と古典的運動方程式の数値解法を組み合わせて、ESRスペクトルを数値的に求めることができる。1次元スピンギャップ系のESRについては、少数スピン系の直接対角化以外に信頼できる理論的手法がなかったが、今回新たな手法を確立した。
具体的な例として、交替磁場が存在する場合のESRスペクトルを研究した。その結果、高温で観測される鋭い常磁性共鳴が温度の低下とともに線幅が増加し、さらに低温では高周波数(低磁場)側に新しい共鳴が生じ低温極限ではこの新しいピークが支配的になることを見出した。新しいピークは反強磁性共鳴として非線形シグマ模型に基づくスピン波理論によって定量的に理解することができる。高温領域から低温領域にかけての変化は相転移を伴わないクロスオーバーである。これらの特徴は、以前にボソン化法に基づく場の理論によって記述されたスピン1/2反強磁性鎖の場合と定性的には類似しているが、交替磁場により誘起されるスピンギャップの臨界指数が異なるなど系の古典性を反映した違いがある。
さらに、ESRスペクトルのシフトについて、1次摂動の範囲で厳密な金森・立木公式を量子モンテカルロ法によって正確に評価し、広い温度範囲でのふるまいを調べた。通常、周波数シフトは磁場に比例することが多いが、これに反して磁場の増加とともにシフトが減少する領域もあることを見出した。上記の古典非線形シグマ模型が有効な温度範囲では、得られた結果が量子モンテカルロ法の結果と良く一致する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2010

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Perturbation theory of the ESR frequency shift2010

    • Author(s)
      Masaki Oshikawa
    • Organizer
      Magnetic Resonance in Highly Frustrated Magnetic Systems
    • Place of Presentation
      Kranjska Gora, Sloveni
    • Year and Date
      2010-02-04

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2014-04-30  

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