2007 Fiscal Year Annual Research Report
磁化プラトー現象を示す新しい量子スピン磁性体の合成と磁性研究
Project/Area Number |
18540343
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
菊池 彦光 University of Fukui, 工学研究科, 教授 (50234191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 裕 福井大学, 遠赤外領域研究開発センター, 准教授 (40334809)
光藤 誠太郎 福井大学, 遠赤外領域研究開発センター, 教授 (60261517)
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Keywords | 磁化プラトー / 量子スピン系 / スピンフラストレーション / 強磁場 / 反強磁性体 / 一次元磁性体 / NMR / ダイヤモンド鎖 |
Research Abstract |
本研究の目的は磁化プラトー現象を示す事が期待される新しい量子スピン系物質を探索・合成し、実際に磁化プラトー現象を観測してその磁性を研究することである。磁化プラトーが期待されるスピンモデルとして,前年に引き続き、Cu^<2+>イオンがダイヤモンド鎖を形成しているCu_3(MoO_4)_2(OH)_2およびCu_3(MoO_4)_2(OH)_2-(4,4'-bipyridine)の磁気的性質を調べた。後者の化合物は前年までの研究でダイヤモンド鎖のフェリ相に対応する現実物質であることを示している。約70Tまでの強磁場磁化測定により、飽和磁化の1/3の値を有する磁化プラトー状の異常が存在する可能性をより明確にすることができた。ダイヤモンド鎖における明確な磁化プラトーは我々の研究グループがCu_3(CO_3)_2(OH)_2において見出したものが唯一である事を考えるとこの結果は興味深い。別のスピン系として、磁化プラトーの存在が予測されている、ギャップレスS=1-次元結合交替反強磁性体であるNi(333-tet)(μ-NO_2)(Clo_4)の低温磁性をNMRおよびμSR法によって微視的な観点から研究した。約4Kで磁気秩序が生じるように思われるが、転移温度以下でも大きなスピンゆらぎが残っていることを見出した。
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Research Products
(19 results)