2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁化プラトー現象を示す新しい量子スピン磁性体の合成と磁性研究
Project/Area Number |
18540343
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
菊池 彦光 University of Fukui, 工学研究科, 教授 (50234191)
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Keywords | 磁化プラトー / 量子スピン系 / スピンフラストレーション / 強磁場 / 反強磁性体 / 一次元磁性体 / NMR / ダイヤモンド鎖 |
Research Abstract |
本研究の目的は磁化プラトー現象を示す事が期待される新しい量子スピン系物質を探索・合成し、実際に磁化プラトー現象を観測してその磁性を研究することである。Cu^<2+>イオンがダイヤモンド鎖を形成しているCu_3(MoO_4)_2(OH)_2およびCu_3(MoO_4)_2(OH)_2-(4,4'-bipyridine)の磁化、磁化率を詳細に測定した。明確な磁化プラトーは見られなかったものの一次元フェリモデルで説明できた。我々が最初にダイヤモンド鎖磁性体であることを示したCu_3(CO_3)_2(OH)_2(アズライト)のCu-NMR測定を単結晶を用いて行った。その結果、モノマー、ダイマー各状態にある銅イオンスピンの微視的な配置構造を明らかにし、磁化等の巨視的測定に基づく、プラトー状態に関する我々の主張をほぼ支持する結果を得た。しかし実験結果を説明するためには単純なダイヤモンド鎖モデルでは不十分であることが分かり、アズライトの磁性を理解するためには更なる研究が必要である。新規化合物として、磁気異方性が大きいスピンダイマー化合物M(SeO_3)・2H_2O(M=Co, Ni)の強磁場磁化、磁化率、NMR測定を行い、多段のステップからなる磁化曲線を観測した。
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[Presentation] S=l/2低次元反強磁性体DioptaseのCu/Si-NMR2009
Author(s)
萩原健太, 後藤貴行, 造田法弥, 藤澤真士, 大久保晋, 櫻井敬博, 大道英二, 太田仁, 稲垣祐次, 菊池彦光, 小野俊雄, 田中秀数, 上床美也
Organizer
日本物理学会第64回年次大会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2009-03-27
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[Book] 金属錯体の現代物性化学2008
Author(s)
山下正廣(編著), 小島憲道(編著), 芥川智行, 網代芳民, 有馬孝尚, 井上克也, 大越慎一, 大塩寛紀, 大場正昭, 岡本博, 加藤礼三, 菊池彦光, 北川宏, 小林昭子, 小林厚志, 小林速男, 志賀拓也, 高石慎也, 竹谷純一, 坪山明, 中村貴義, 長谷川美貴, 速水真也, 宮坂等, 守友浩, 山田鉄平共著
Total Pages
420
Publisher
三共出版