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2006 Fiscal Year Annual Research Report

時間分割中性子散乱法による非平衡スピン系の実時間追跡

Research Project

Project/Area Number 18540357
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

元屋 清一郎  東京理科大学, 理工学部, 教授 (60114683)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 室 裕司  東京理科大学, 理工学部, 助手 (50385530)
Keywordsスピングラス / 磁性 / 中性子散乱 / 時間分割測定 / 非平衡系
Research Abstract

これまで多くの高濃度スピングラスにおいて見られるリエントラント転移やスピン波励起の異常には有限距離の強磁性的相関を持つ磁気クラスターの存在が本質的である事、またこれと強磁性ネットワークの共存状態の性質としてこれらの異常なふるまいが理解される事を示してきた。更にスピングラスの特性であるスローダイナミックスにもこの磁気クラスターが重要な役割を担っていることを時間分割中性子小角散乱法で示した。また、従来の研究による磁気相図に反して反強磁性的相関の磁気クラスターをも含む3種の異なる磁気的領域が共存する物質系を見いだした。これらの異なる磁気相関を持つ領域の共存状態とそれぞれの領域内での磁気励起を明らかにし、さらに反強磁性クラスターの時間発展を3軸中性子分光器による時間分割測定によって追跡することを計画している。これらの結果とこれまでの時間分割中性子小角散乱実験による強磁性的相関領域に関する結果を合わせて複数の磁気的領域の存在形態とその時間発展を捉える。これによりこれまで行なってきた一連の研究の総まとめとして異なる磁気相関の共存下におけるスローダイナミックスの全貌解明を目指している。本年度は強磁性・反強磁性相関の空間的共存状態を解明するため外部磁場による各相関に対応した磁気散漫散乱パターンの変化を検出する実験を行なった。その結果、強磁性的クラスターのうち大きなサイズのものが(強磁性ネットワークに吸収されて)消滅し、平均サイズの小さいクラスターのみが残ることがわかった。一方反強磁性クラスターによる散乱パターンを測定するとクラスターサイズの逆数にあたる線幅、クラスター数に比例する強度の磁場による変化は強磁性クラスターの磁場変化よりかなり小さいことが示された。これらの結果から強磁性・反強磁性クラスターは空間的に独立に共存している事が示された。

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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