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2006 Fiscal Year Annual Research Report

混合位相空間における古典および量子カオスに関する研究

Research Project

Project/Area Number 18540378
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

首藤 啓  首都大学東京, 理工学研究科, 助教授 (60206258)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 斉藤 真司  分子科学研究所, 計算分子科学研究系, 教授 (70262847)
田中 篤司  首都大学東京, 理工学研究科, 助手 (20323264)
Keywords混合位相空間 / 量子カオス / 古典カオス / カオス的トンネル効果 / 遅い緩和 / 再帰時間分布 / 複素半古典論 / 複素力学系
Research Abstract

1.カオス的トンネル効果と動的局在
カオス的トンネル効果を担う複素軌道のひとつの特徴として,一本一本のトンネル軌道が,規則領域(トーラス)とカオス領域の両方の性質を併せもつことが挙げられる.このことから,規則領域をトンネル効果によって通過する過程と,実カオス領域を運動するプロセスとが独立ではなく,動的局在現象と,トーラス中をトンネル過程で抜ける過程とが互いに相関をもって現れることが予想される.実際,カオス領域で起こっている動的局在を雑音印加などの方法で無効化すると,古典カオス領域で(準実)トンネル軌道間がもつ干渉が破壊され,トンネル確率が大幅に増大することが数値計算により確かめられた.通常,雑音などの外部環境と接触させると,系が古典化によりトンネル確率が減少することが知られているが,カオス的トンネル過程では全く逆のことが起こることになる.
2.箱の中の2剛体粒子系における緩和過程
力学系理論の観点からガラスにおける遅い緩和過程を理解するための足がかりをつくるために,箱の中を運動する2つの剛体球系を調べた.2つの剛体球系は,適当な条件下での系のエルゴード性が厳密に証明され,多体ハミルトン系として最も単純な力学系である.この系の緩和過程に影響を及ぼすことが期待される不変構造の候補として,系に存在する2種類の周期軌道,すなわち,(1)平行な辺で反射を繰り返す,いわゆるbouncing ball mode(2)2つの球がすれ違うボトルネックに存在する周期軌道,が緩和過程にいかなる影響を及ぼすかについて検討した.その結果,前者については,位相空間に占めるbouncing ball modeの次元が剛体球の数が増大すると共に相対的に低くなることからその影響力が小さくなることがわかり,後者については,緩和の速度を遅らせる効果はあるものの,緩和の関数型を指数関数的なものからずらす効果はないことが明らかなった.

  • Research Products

    (4 results)

All 2006

All Journal Article (3 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Recurrence time distribution in mushroom billiards with parabolic hat2006

    • Author(s)
      H.Tanaka, A.Shudo
    • Journal Title

      Physical Review E 76

      Pages: 036211(5)

  • [Journal Article] Inside-outside duality and isospectrality of planar billiards2006

    • Author(s)
      Y.Okada, A.Shudo
    • Journal Title

      数理解析研究所講究録 1500

      Pages: 81-94

  • [Journal Article] 多準位非断熱遷移問題における仮想的変わり点と新しいストークス曲線の役割について2006

    • Author(s)
      首藤 啓
    • Journal Title

      数理解析研究所講究録 1516

      Pages: 9-20

  • [Book] 物理学大辞典(項目「カオス」)2006

    • Author(s)
      首藤 啓(分担執筆)
    • Total Pages
      3
    • Publisher
      朝倉書店

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2014-07-08  

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