2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540380
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
會澤 成彦 Osaka Prefecture University, 理学系研究科, 准教授 (70264786)
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Keywords | 量子群の表現 / 非可換幾何学 / ディラック演算子 / q-特殊関数 / 国際研究者交流(インド) |
Research Abstract |
今年度の研究成果は次の3つにまとめられる。 1.2006年に導入された非可換トーラスを代数的な観点から研究した。非可換トーラスでは、トーラスの座標やトーラス上の関数は行列を用いて表される。どのような行列を用いることができるのかを、系統的に分類することに成功し、これまで知られていたもの以外の行列が存在することを見出した。また、非可換トーラス上の行列を用いたコヒーレシト状態を作成し、これまでは知られていなかったべッセル関数の変形が現れることを明らかにした。この種のべッセル関数は今後の研究課題のひとつである。 2.非可換トーラス上でのティラック方程式を得ることは幾何学的観点からも物理的観点からも重要である。そのための第一歩として、可換なトーラス上でのディラック方程式の研究を行った。トーラス上のディラック方程式はいろいろな所で論じられているが、ほとんどは平面に周期境界条件を課しただけのものであり、曲率は考慮されていない。ゼロでないガウス曲率を持つトーラス上でのディラック方程式を導き、その固有値問題を調べた。球面の場合と同様にゼロエネルギー解が存在することはほぼ示せたが、まだ不完全といわざるを得ない。このトーラス上でのディラック方程式の固有値問題を完全に解くことは次年度へ持ち越すことになってしまった。 3.超対称非可換幾何との関連では量子群Uq[osp(1/2)]の有限次元表現について研究した。通常のリー代数osp(1/2)は奇数次元のみ持つのであるが、量子群量子群Uq[osp(1/2)]は偶数次元の表現も持つことが知られている。この事実を用いて、Uq[osp(1/2)]に双対な量子群OSp_q(1/2)の偶数次元の行列表現は奇数次元の場合と同様little q-Jacobi多項式という特殊関数を用いて表されることを示した。また、OSp_q-(1/2)の2次元および4次元表現め作用で共変な非可換空間を構成した。この構成には、以前に我々が導入した非可換空間の構成法を応用した。 今年度の計画の一部に、非可換トーラスの超対称化を入れたのだが、そちらには手がまわらなかった。次年度に取り組みたいと考えている。
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Research Products
(5 results)