2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540380
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
會澤 成彦 Osaka Prefecture University, 理学系研究科, 准教授 (70264786)
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Keywords | 国際研究者交流 / 非可換幾何学 / 超対称性 / 量子群 |
Research Abstract |
本年度は量子群のcoherent状態(以下CSと略記)を用いた非可換幾何学の研究にほとんどの時間を費やした。量子群のCSはいろいろなものが提案されているが、我々は量子群の数学的性質(Hopf代数構造と双対性)を完全に取り込んだ物を導入し、これを用いると複素多様体の非可換版を自然と構成できることを具体的な例を用いて示した。このようなCSの一般論はこれまでにもあったが、具体的な構成は今回の仕事が始めてである。このようなCSを考える理由は、非可換な複素多様体上でのKahler形式をCSから導くことができ、さらにはPoisson括弧を定義することができるからである。このことは非可換空間上での運動方程式を定式化する可能性を与えてくれる。 今年度調べたのはSU_q(2),SU_q,(1,1),H,(1)と呼ばれる量子群の場合、および超対称量子群OSp_q(1/2)の場合である。特にSU_q(2)はもっとも基本的な量子群であるので、この場合を重点的に調べ次のような結果を得た:(1)CSの応用上最も重要な性質であるresolution of unityを満たす(2)非可換な2次元球面であるPodlesのq-sphereの複素多様体としての記述が得られる(3)q-Sphereの複素座標での微分を構成。SU_q(1,1)の場合はq-sphereの変わりに非可換2葉双曲面を得たが、resolution of unityの証明が完了していない。また、H_q(1)の場合は非可換空間は得られず、可換な2次元平面が得られた。最も基本的な超対称量子群OSp_q(1/2)の場合は我々が導入した非可換超球面が得られることが期待されるが、まだ計算の途中である。
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Research Products
(6 results)