2007 Fiscal Year Annual Research Report
能動機能を内包する超分子ネットワークの構築とその自己組織化
Project/Area Number |
18540385
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
宮川 賢治 Fukuoka University, 理学部, 教授 (30037296)
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Keywords | 自己組織化 / 確率共鳴 / BZ反応 / 非平衡 |
Research Abstract |
マイクロゲルにベルーゾフ,ジャボチンスキー(BZ)反応の光感受性の触媒であるルテニウム錯体(Ru(bpy)3^<2+>)を組み込み,BZ溶液中で酸化、還元反応に応じて自励的な振動する能動機能要素を得た。この要素を基本にして,要素数10×10のマクロゲルを格子状に配列したアレイを構築した。光感受性触媒を用いるBZ反応系では光によって抑制因子の生成が制御できる為,この利点を生かしてフィードバック光によるネットワークの結合様式の多彩な制御を行い,新奇な自己組織化現象の誘起を図った。まず,自励振動状態にある要素集団に,時間遅れのある大域的なフィードバックを導入し,振動のコヒーレンス制御を試みた。要素間結合定数kと時間遅れτをパラメータにして,振動周期の分散R,及び要素間位相差の分散σ2の集団平均を調べた。R,O_2の何れもτに対して周期的に変化し,その周期は自励振動の周期に一致することが分かった。更に,コヒーレンスは結合定数に強く依存し,或る範囲内のk-値で促進されることが分かった。興奮系の集団にフィードバック光にノイズを重畳して規則的振動の誘起を図った。要素数要素間距離,ノイズ振幅を制御変数として振動のコヒーレンス度を調べ,Array Enhancedコヒーレンス共鳴を検証した。自励振動系と同様に,R,O_2はτの変化に対して系の特性時間に一致した周期で変化すること分かった。更に,光強度の揺らぎによる効果を考慮できるように修正を加えた反応、拡散方程式を用いて数値シミュレーションを行い,実験結果を再現した。
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