2006 Fiscal Year Annual Research Report
微弱な遷移の検出に重点をおいたテラヘルツ域高精度分子分光
Project/Area Number |
18540391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松島 房和 富山大学, 理工学研究部(理学), 教授 (40142236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 喜紀 富山大学, 理工学研究部(理学), 教授 (90270470)
小林 かおり 富山大学, 理工学研究部(理学), 助手 (80397166)
常川 省三 富山大学, 理工学研究部(理学), 教授 (40018982)
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Keywords | 遠赤外 / テラヘルツ / 分子分光 / 分子イオン |
Research Abstract |
本研究では、テラヘルツ領域(1-6THz)で高精度の分光計測を行なってきたわれわれの分光計(炭酸ガスレーザー差周波型波長可変遠赤外分光計)を用いて、世界に先駆けてさまざまな分子・イオンを対象に、テラヘルツ域高精度分光測定を進めること、特に、これまで進めてきた計測のうちでも難度の高かった分子カチオン、分子アニオン、高振動励起状態などの測定対象について微弱なスベクトル線の検出を達成し、分子分光学における先鞭的なデータを得ることを目的としている。今年度は以下のような研究の進展があった。 1.分子イオン(H_2D^+およびD_2H^+)の分光測定 まずはH_2D^+のスベクトル線を感度良く測定できるように、試料放電セルの改良を行った。このために、従来の液体窒素冷却セルにさらに直流磁場を加えてextended negative glow方式の放電ができるように準備した。セル全体に300ガウスの磁場がかけられるコイルを製作し、N_2H^+イオンのスベクトルでテストしたところ1桁以上イオンの生成量が増加し、検出感度が上昇することが確認できた。このセルを用いることによりH_2D^+のスベクトルも検出しやすくなるはずであるが、まだ、ガス混合比の最適値を探す実験をしているところである。また、この放電セルに適した放電電源を備品として購入することにした。 2.OH^-イオンの同位体イオンの分光測定 OH^-アニオンの同位体であるOD^-を測定するために、OH^-の測定で使っていた水冷試料セルを、液体窒素冷却セルに置き換えることにし、そのためのセルを製作準備した。
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