2007 Fiscal Year Annual Research Report
微弱な遷移の検出に重点をおいたテラヘルツ域高精度分子分光
Project/Area Number |
18540391
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松島 房和 University of Toyama, 理工学研究部, 教授 (40142236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 喜紀 富山大学, 理工学研究部, 教授 (90270470)
小林 かおり 富山大学, 理工学研究部, 准教授 (80397166)
常川 省三 富山大学, 理工学研究部, 名誉教授 (40018982)
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Keywords | 遠赤外 / テラヘルツ / 分子分光 / 分子イオン |
Research Abstract |
本研究では,テラヘルツ領域(1-6THz)の分光計(炭酸ガスレーザー差周波型波長可変遠赤外分光計)を用いて、測定のむずかしい分子カチオン、分子アニオンについてテラヘルツ域高精度分光測定を進めた。以下のように分子分光学における先鞭的なデータを得ることができた。 1.OD-イオン分子の回転スペクトル測定以前に測定したOH-アニオンの同位体であるOD^-の測定を行い、新たに4本の純回転スペクトル線の周波数を精密測定することができた。これにより、従来、赤外スペクトルだけから算出されていた回転定数を2桁改良することができた。これについては論文を作成中である。 2.分子イオンH_2D^+の分光測定星間分子で基本的な役割を演ずるH_3^+型の分子の同位体であるH_2D^+のスペクトル線を検出し、周波数測定を行った。このほかに数本の測定候補があり、測定をすすめるとともに論文作成の準備中である。 3.イオン分子の測定法の改良イオン分子を感度良く測定できるように、extended negative glow方式の放電ができるようにした。これにより、これまでよりずっと容易にイオン分子の分光測定が進められるようになった。N_2H^+イオンで試験データが得られ、今後多くのイオン分子を対象に研究を展開できると期待している。
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