2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540401
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
崎本 一博 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部・宇宙科学共通究系, 助教 (60170627)
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Keywords | 反陽子 / 阪陽子ヘリウム / 反陽子水素 / 共鳴 / 組み替え反応 / R行列法 / エキゾティックアトム / ミューオン |
Research Abstract |
まず、反陽子とヘリウムイオン衝突による反陽子捕獲過程の研究を行った。以前に行った波束伝搬による計算で共鳴現象が車要であることがわかっていたが、波束伝搬法では共鳴構造をならした物理量しか調べることができなかった。そこで、共鳴構造を詳しく調べるために、新たにR行列法と直接数値解法を組み合わせた手法を開発し計算存行った。その結果、複雑な共鳴が無数に存在することが直接確認された。この共鳴状熊のいくつかは、日本のASACUSAグルーブにより高分解能レーザー分光実験で直接観測されており、反陽子ヘリウム原子として知られている。本研究では衝突の立場からこの反陽子ヘリウム原子を調べることに成功したことになる。 次に、R行列法をミューオンと水素原子の系に適用し、共鳴現象が存在するかを調べてみた。その結果、有意な共鳴を見つけることができなかった。この系では電子を束縛する力が非常に弱いため共鳴は存在しにくいことが考えられる。一万で、この系は電荷と双極子からなる。解析の結果、無限個の共鳴が可能であることもわかった。しかし、この共鳴準位は励起しきい値の直ぐ下に密集していると考えられる。散乱の手法に基づいた数値計算でこのような共鳴を調べることは難しい。量子欠損理論のよりな手法を導入する必要がある。
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