2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体系における中間分子媒介、協奏的、電子、励起およびプロトン移動過程の研究
Project/Area Number |
18540402
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
住 斉 University of Tsukuba, 名誉教授 (10134206)
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Keywords | 中間分子媒介電子移動 / 中間分子媒介励起移動 / 中間分子媒介プロトン移動 / 協奏的電子・正孔移動 / 協奏的電子・プロトン移動 / 光合成 / 光合成反応中心 / 電荷分離 |
Research Abstract |
★中間分子媒介電子移動過程の機構は中間分子における電子・フォノン系のダイナミックスにより決まることが、既存の実験により検証出来ていることを、理論により明らかにした。 中間分子媒介電子および励起移動過程の速度の理論は、2001年に住と垣谷により打ち立てられた。しかし、その理論の正しさと適用範囲の広さにも拘らず、その理論は研究者の間に十分に浸透していたとは言い難かった。2005年、Paulson,Miller,GanとClossにより、中間分子媒介過程の枢要を突く実験が発表された。ところが、この論文の著者たちはこのことに気付くことなく、反対に、彼らの実験データは中間分子媒介過程の理論が出る前の簡便的な取り扱いで理解出来ると主張した。住らは、彼らの実験こそ中間分子媒介過程の速度の理論を検証する実験であり、従来の簡便的な取り扱いでは理解出来ず、反対に、その取り扱いの基礎が幻想であることを明らかにする実験であることを理論により示すことに成功した。中間分子媒介過程の理論はこの科学研究費補助金による研究の基盤を構成する理論なので、この過程の枢要を突く実験によってこの理論が検証されることになったことのみならず、その検証がこの科学研究費補助金の研究により行われたことは、当研究にとって非常に有意義なことであった。
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