2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松岡 辰郎 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60252269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 毅 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (80345917)
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Keywords | 超音波 / 光回折 / 光弾性 / 複屈折 / 配向緩和 / 音響光学理論 / トリフェニルフォスファイト / 液晶等方相 |
Research Abstract |
方位角や位相遅れを精度よく求めるためにはアナライザー透過光強度の角度依存性を精度よく,非常に多くの点で行う必要がある。その実現のために,備品として自動送り検光子ホルダーを導入した。これにより,方位角や位相遅れの測定が±0.01の精度での測定が可能となった。また,配向緩和周波数が超音波周波数より,十分大きい,トリフェニルフオスファイト(TPP)と配向緩和周波数が超音波周波数と同程度の液晶等方相のペンチルシアノビフェニル(5CB)において方位角や位相遅れの測定をおこなった。 TPPのような通常の液体では,複屈折はひずみ速度にのみ関係するため,1次回折光に対しては,方位角変化は観測されず,位相遅れのみが観測された。位相遅れの値を、流動複屈折の文献値を用いると、de Gennens理論を縦波超音波に拡張した理論で説明できることが示された。 また,5CBでは,配向緩和の影響のために,複屈折はひずみ速度にのみ関係せず,ひずみそのものにも関係するため,1次回折光に対しては,位相遅れだけでなく方位角変化も観測された。超音波周波数を5,9,15,25MHzと変化させ,さまざまな温度で測定を行い,音響光学理論によって位相遅れだけでなく方位角変化の強度依存性を解析し,超音波による等方性屈折率の変化と複屈折の複素比を計算した。この複素比は,流動複屈折の値と配向緩和時間の文献値から計算した値と非常によい一致を示した。 このことより超音波回折光の変更解析より,光弾性定数の周波数依存性が測定できることが実証された。平成19年度は装置を改良し,より広い周波数範囲までの測定が可能とする予定である。
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Research Products
(1 results)