2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18540407
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉森 明 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (90260588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田垣 孝 九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (90214147)
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Keywords | 化学物理 / 統計力学 / 液体論 / 物性理論 / 密度汎関数理論 |
Research Abstract |
イオン液体について文献を調査した結果、融点に関する理論的な研究はほとんどされていないことがわかった。2月に行われた特定領域研究「イオン液体の科学」公開シンポジウムに参加して、国内でも融点の研究は基礎的な観点では研究されていない事が分かった。東京大学物性科学研究所の山室修氏を九大に招き、セミナーを通してイオン液体のガラス化現象が興味深い事が分かった。 剛体球のガラス転移に対して自由エネルギーランドスケープを計算する密度汎関数理論を開発した。固液の相転移で使われているガウス関数型の試行関数を使って、それぞれの粒子の位置の周りにガウス関数の幅だけ粗視化できる様に定式化した。Ramakrishnan-Yussouff自由エネルギー汎関数を使って、粒子の位置の関数として自由エネルギーを表した。これを使って協調再配置領域と呼ばれる液体粒子の協調運動を定量的に解析できる概念を確立し、実際にその密度依存性を計算した。 この密度汎関数理論をイオン液体に応用するために、荷電した剛体球系の融点について過去の研究を調べた。密度汎関数理論を使った研究は過去に3っしかなく、それらのうち2つは直接相関関数がMSAの解析解で、自由エネルギー汎関数は、Ramakrishnan-Yussouffを使つている。試行関数はガウス関数にしている。結晶構造は全部で3種類調べていて、それぞれCsCl型、NaCl型、正負のイオンがランダムに配置されているFCC構造に対応する。半径比を変え、密度と温度で相図を計算している。温度と半径比が変わると安定な結晶構造が変わった。圧力は制御していない。
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Research Products
(3 results)